第681話あと二人の人間がいる

「これ、これ――全部、用意してちょうだい!」

クレオは家政婦に指示し、品物を一つずつ運ばせた。居間はすでに荷物で山のようになっているのに、それでも彼女はまだ「もっと」とせき立てる。

エリとエイデンが家にいなくて本当によかった。あの二人がいたら、即座に反対されていただろう。

だが家にいたヘイデンとフィンは、時間が経つにつれて不安そうな目で母を見つめた。どうにも様子がおかしい。

「母さん、いったい何のためにこんなに準備してるの?」

フィンは徹夜でゲームをしていた。今もあくびを噛み殺しながら問いかける。

家にいる家族の中で、いちばん暇を持て余しているのはヘイデン――そして、良くも悪くも存...

ログインして続きを読む